西岡さん、お疲れさま。

ボクシング好きの皆さんはご存知の通り、西岡利晃がノニト･ドネアに敗れました。試合内容も完敗。西岡の大きな武器であるスピードで圧倒され、モンスターレフトと形容される左ストレートも当たらないどころか、ほとんど打たせてもらえないという展開。日本では「最強決定戦」と話題にもなりましたが、客観的に考えれば、「ドネアの試合」をアメリカのファンが見に行っていた事は賭け率を見ても一目瞭然でした。西岡というボクサーを知らないし、期待もしてないので、耐久作戦に対してブーイングが飛ぶのも当たり前。日本のファンなら「カウンターの機を窺っている」と見る展開だったのですが、アメリカのファンは玉砕覚悟の打ち合いが見たかったのでしょう。でもそれは西岡のボクシングじゃない。どんなにブーイングされても最後まで自分のボクシング、そして自分の力を信じた西岡の姿に感動しました。私は西岡の世界初挑戦を観る為に沖縄から横浜まで行ったり、沖縄出身の仲里を相手に行った日本タイトルマッチでも西岡を応援するくらい西岡に入れ込んでいたので、感動しましたが、見方によっては予想不利の選手が予想通り一方的に負けただけの試合だったかもしれません。でも、「日本人でもあんな舞台に立てるんだ」と示してくれたのは変えようのない事実です。その昔、サッカーの三浦知良が当時世界最高峰と言われたセリエAに挑戦した時も、とても満足とは言えない結果を残し、一年で帰国した事を思い出しました。その時はセリエAを物凄く遠い存在に感じました。昨日の試合も同じように世界の頂きに立つ選手の遠さを感じました。近年の日本ボクシング界は西岡の他にも長谷川穂積や内山高志、井岡一翔、粟生隆弘の活躍等もあり、世界的な強豪(モンティエルやジョニー･ゴンザレス等)も遠い存在には感じなくなっていました。でも強豪の中でも更に頭一つ抜けたトップはまだまだ遠かった。西岡でも勝てる気がしなかった。そんな場所でもカズの後に中田が現れてセリエAで活躍したように、いつか日本人があの様な舞台で世界の頂点に君臨する、そんな姿を夢見続けたいと思います。そして西岡にはあの様な舞台が夢舞台ではない事を実感させてくれた事に感謝したいと思います。ずっと応援してて、本当に良かった。ありがとうございました。まだ今後の事を自ら発表した訳ではありませんが、どんな事であっても尊重したいと思います。最後に、確かに昨日の試合はボクシングが特に好きでもない人が見れば、面白味のない試合だったと思います。でもボクサーって、大きな怪我や後遺症、場合によっては死すら覚悟してリングに上がっている訳です。特にドネアに至ってはモンティエルの顔面を陥没させたパンチがある選手です。その選手に対峙した選手に対して、ブログ上で「勇気がない」と言っておきながら、自分はコメントを受ける事すらしていない人がいる事が残念でなりません。もう少し人としての敬意払う姿勢があってもいいんじゃないかと思います。ホントは直接コメントしたかったのですが、受け付けていないようですので、この場をお借りして苦言申し上げます。